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We will be together forever 前編 第五話

CiRCLE受付
まりな「お疲れ様!
あなたが望むメンバーに出会えた?」
希良「はい、全員最高です!
ようやくバンドとしてのスタートを切れそうです。
また、Aスタの予約お願いします。」
まりな「毎週火曜なら今日と同じ時間取れるわよ。
じゃ、入れとくわね。」
希良「よろしくお願いします!」

その日の夜
希良の部屋
希良(音合わせの事を思い出すと、今でも体が震えるよ。
みんなすごいなぁ……。
父さんの言うとおり、私が知らなかっただけでレベルの高いプレーヤーっているんだな。)

光の部屋
光(どうしよう……。
私、とんでもない人達の中に飛び込んでいってしまったのかも……。
みんなの足を引っ張っていないかな……。)

寿音の部屋
寿音(何なんだよ、今日集まった連中!
浅野さんはもちろん、他のみんなもプロで十分過ぎるくらい通用するぞ。
それにしても、あの常盤光って浅野さんにすごく似ていたな。
サングラスしてたから分からなかったけど、もし同じ目だったら本当に瓜二つになるんじゃないか?)

アレックスの部屋
アレックス(いい仲間に出会えてよかった!
私の全てをこのバンドに捧げる。
バンド結成を決意した希良やみんなに出会えた事に感謝するわ。)

高田馬場スカーレット Dスタジオ
洋(みんなのレベルは相当なものね。
何でアマチュアのままなんだろう……。
勿体ないわ。
今度みんなに話してみよう。
それにしても、光ちゃん可愛かったなぁ。
昔の私を見ているみたい……。)

翌日
都立芸術学院高校 音楽室
光(このままだと、私一人が置き去りにされてしまう……。
もっともっと演奏のレベルを上げないと。)

火曜日
CiRCLE Aスタジオ
練習終了後
希良「いい感じにまとまってきたね。
もう少しでお披露目できるね。」
光(ちょっと待って!
私はみんなに付いて行ってないよ。
希良や寿音、アレックスに洋さんの演奏が完璧過ぎて、私だけが置いてけぼりになっている。
このままじゃメンバーとして残れない。)
洋「どうしたの、光ちゃん。
浮かない表情してるけど、何かあった?」
光「何でもないです。
大丈夫です。」
アレックス「この後ファミレスに行かない?
疲れたからゆっくりしていくのもいいんじゃないかな。」
寿音「お、いいな。
じゃ、行くか。」
希良・洋「賛成!」
光「ごめん、私学校に戻る。
もう少し練習したいから、じゃ。」

ファミレス
希良「ヒカルンどうしたんだろ。
顔を合わせる度に表情が暗くなって。」
寿音「あいつ、全体練習が終わったらいつも学校に戻るよな。
無理しすぎたらぶっ倒れるぞ!」
洋「何となくだけど、光ちゃん自信がないのかもしれない……。
ちょっと自分を過小評価してるわね。」
アレックス「どうしてかな。
光の演奏はすごいよ。
プロと言われたら絶対に信じてしまうくらいだけど。」
洋「私から話してみる。
みんなの前だと言えない事があるのかも。」
寿音(言われてみれば、あいつの演奏自信がないのがかすかだけど感じる。
初めて合わせた時にはすごく力強くて迷いがなかったんだけどな。)

一週間後
CiRCLE Aスタジオ
希良「今日の練習はおしまいです。
来週は練習後にバンドについて色々と決めたい事があるので、いつもより終わるのが遅くなるのでそのつもりで。」
寿音「待ってくれ!
このままではバンドとしてのスタートは切れない。
光、お前の演奏だけ自信のなさが伝わってくるんだよ。」
洋「ちょっと寿音ちゃん!」
寿音「いずれ誰かが言わないといけないから、あたしが言うよ。
光、お前は私達の足を引っ張っているんだよ。
そんなに自信がないなら、さっさと脱退してくんないかな。
お荷物なんだよお前は!
自信がないのは勝手だけど、4人の邪魔をするのだけは絶対に許さないからな!」

キッと睨み返す光
光「分かった!
そうさせてもらう!
こんなバンド、やめて清々するよ!」

Aスタジオを飛び出す光
希良「待って、ヒカルン!」

涙を浮かべながら走り去ってCiRCLEを出る光
まりな「えっ、ちょっと!
どうしたの!?」

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